卓球をやっていると曖昧なルールや微妙なジャッジに遭遇することが多くあります。その中でもよく問題となる補助剤・サーブ見えない・エッジサイド問題について現状とどうあるべきかをまとめていきたいと思います。
補助剤問題
卓球をやっていると度々問題となるのが補助剤塗っている塗っていない問題です。
地方の大会でも明らかに打球音が良い人がいると、「あいつ塗ってるんじゃない?」というような会話を耳にすることがあります。
そんな補助剤についてまとめていきたいと思います。
補助剤とは
卓球の補助剤をラバーに塗ることでスポンジが膨張し、その分シートが引っ張られることでテンションがかかった状態になります。
効果は1か月程で、弾みとコントロールが良くなります。
ちなみに、良くある勘違いがグルーと混同しているパターンです。
グルーは有機溶剤が含まれており、補助剤とは比べ物にならないくらい効果が高いです。
補助剤には有機溶剤は含まれておらず、サラサラの油のようなものが多いです。
補助剤の問題点とは
そんな補助剤ですが、何が問題なのでしょうか?
卓球のルールの中に「ラバーの後加工禁止」というものがあります。
補助剤を塗るというのがそのルールに引っかかるというのが問題となります。
でも、中国選手のラバーは明らかに反っているので、塗っているのは間違いないです。
それでも国際大会で失格になることもありません。これって明らかにおかしいですよね。
いったいなぜこんなことが起こるのでしょうか?
大きく2つの理由があります。1つ目は「ラバーの後加工禁止」というルール自体が微妙であるということです。
ラバーの後加工がダメなのであれば、前加工してしまえば良いという感じで、メーカー側が補助剤を塗ったラバーが出ています。
輸入ラバー等で「已打底」と書かれたものがすでに補助剤が塗られているラバーになります。
2つ目は「ラバーの後加工禁止」といっておきながら試合前の用具チェックでは有機溶剤のチェックしかしていません。
つまり、補助剤は塗っていても問題なく試合に出ることができてしまいます。
これらのことで何が起こるのかというと、ルールを守っている人が損をするという状況が生まれます。
結局のところこの不公平感が一番の問題点になります。
本来はどうあるべき?
この不公平感満載のルールを改善するには下記のどちらかしか無いと思います。
なんでもOKにする(私はこっちを推奨)
後加工とか変な基準を作らず、全部OKというルールにしてしまう。
ほんの十数年前まではこのルールだった訳ですから、これで良いような気がしてます。
有機溶剤による死亡事故が再発することが懸念されるでしょうが、そのあたりは全て自己責任ということで良いのではないでしょうか。
ルールも改善して検査も厳しくする
公平にするには明確なルールと検査が必要になります。
まず、「ラバーの後加工禁止」という曖昧なルールはやめて「ラバーの加工禁止」にしましょう。
さらに、加工していないかどうかをチェックする機関を設けて、審査を通ったラバーだけを販売できるようにしましょう。
これにより前加工はなくなるはずです。
また、大会前の検査では審査時に登録された性能と比較し、性能が明らかに変わったラバーは使えないようにしましょう。
当然検査で時間がかかるようになりますが、公平にするには仕方が無いと思います。
我々はどうするべきか
ここまではこうなったらいいなという理想を言ってみた訳ですが、恐らくこのままルールは変わらないので、私たちはどうしていくのが良いのかを考えてみましょう。
補助剤を使っても良いのかどうか
大会でも検査されることのない補助剤は使ってもいいんじゃないの?と考えるのは自然なことだと思います。
私個人としては使っても全然問題無いと思っています。
ルールとして決まっているのだからダメでしょと思う方も多いと思いますが、一度「ラバーの後加工」って何ということを考えてみて欲しいです。
厳密に言うと、粘着性のラバー保護フィルムを貼ることで粘着成分が移ることや、ラバークリーナーでシート面の質が変わることや、接着剤を2度塗りしてラバーを厚くすることもラバーの後加工に含まれますよね。
でも、それらについて注意する人はいませんよね。ではなぜ補助剤だけだめなのでしょうか。
私にはその違いが説明できないので、別に使っても良いのではというスタンスで考えています。
ちなみに、補助剤を塗って打ったことは何回かあるのですが、塗ったことで今まで勝てなかった相手に勝てるような変化があるとは私は思わなかったので使おうという気にはなりませんでした。
むしろ打球感が軟らかくなることや、少しこもった打球感になるのが私には合わないと感じました。
恐らく対戦相手が使っていたとしても、何とも思いません。
ただ、まわりに補助剤反対派の人が多くいる環境で卓球をやっている人は使うのはやめておいた方が無難だと思います。
補助剤を使って少し勝てるようになるよりも、人間関係を一番に考えてください。
サーブ見えない問題
卓球の試合でよく問題となるのがサーブ見えない問題です。
卓球のサーブでは打球時にレシーブ側の人にボールを隠してはならないというルールがありますが、試合をしていると見えないことが結構あります。
サーブが見えない時の現状
本来、相手に見えないサーブを出した場合、審判から注意を受けます。
しかし、そこを指摘できる審判はなかなかいません。
我々が出場する地方の大会では敗者審判が基本であるため、そこまで突っ込んだジャッジをするのはハードルが高く、ほとんど注意する人はいません。
本来はどうあるべき?
本来は審判がサーブ時のモーションを確認して、問題があれば注意すべきです。
敗者審判においてもそうなることが理想であるため、卓球の技術だけでなく審判でやるべきことも部活やクラブで教えていくことが必要になってきます。
ただ、それでも全ての人がちゃんとジャッジできるようになるのは難しいとは思います。
例えば、中学1年生の卓球部に入って間もない選手が大人の試合を審判するとして、完璧なジャッジをするのは普通に考えて無理ですよね。
我々はどうするべきか
自分が審判をするときは、できるだけサーブが隠れていないかどうか確認して試合を見ましょう。
そうやってジャッジできる人を一人ずつ増やしていくしか無いと思っています。
自分が選手の場合で相手のサーブが明らかに隠れていた場合、どうしても勝ちたい試合なのであれば揉める覚悟で相手に直接注意しましょう。
「隠してるつもりは無い」とか「隠れていない」等の言い合いになることが想定されますので、その時は審判長に直接判断してもらいましょう。
エッジサイド問題
卓球において台の端っこにボールが当たってイレギュラーなバウンドをした場合、エッジとしてイン扱いとなります。
ただ、卓球台の横に当たった場合はサイドとしてアウト扱いになります。
よくあるのが、フォアのサイドを切ってきたボールを横入れしようとした場合に、サイドとエッジギリギリの所にボールが当たってしまうことです。
打った側はエッジで入ったと主張し、相手側はサイドで入っていないと主張するような揉め事が起こります。
全日本の本戦でも必ず1回は揉めているシーンが切り抜かれたりしていると思います。
エッジサイド問題の現状
本来であればこれも審判が判断すべきですが、公平なジャッジをできる人は少ないと思います。
なぜなら、卓球のボールはすごく早いため、肉眼で確認することは難しいと思いますし、そもそも逆サイドは物理的に見えないですよね。
本来はどうあるべき?
人間が目視で確認するのは限界があるため、ビデオ判定の導入をすべきです。
テニスでは昔から審判の判定に疑問がある場合チャレンジをすることができ、ビデオ判定で結果を覆すことができる仕組みになっています。
サッカーでも2022年のカタールワールドカップではVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が導入されており、誤審が少なくなったように感じます。
当然卓球でもこのような技術は導入すべきだと思います。むしろなぜ現状で導入されていないのかが疑問になります。
我々はどうするべきか
ビデオ判定のような技術が導入されたとして、我々が出場する地方の大会では当然導入されないでしょう。
では、どのような対応をしたらいいのでしょうか。
まず、サイドかエッジなのか微妙な場合は、自分が思ったことを正直に申告しましょう。
勝ちたいからといって、思ったこととは関係なく「入った」と申告するとか、逆に相手のボールは「サイド」と申告するのは絶対にやめましょう。
スポーツ選手として正々堂々と戦うのは基本中の基本です。選手宣誓でも誓っている訳ですからしっかりと守りましょう。
まとめ
卓球界の微妙なルールや問題点をまとめてみました。
結構個人的な意見も書いたため、意見がある場合は、コメント欄やお問い合わせからお願いします。
私としては曖昧なルールが無くなり、全員が公平にプレーできる日が早く来ることを望んでいます。
コメント